拠点概要

Society 5.0 実現化研究拠点支援事業の目的

情報科学技術を基盤として事業や学内組織の垣根を超えて研究成果を統合し、社会実装に向けた取組を加速することにより、Society 5.0の実現を目指す拠点団体の支援を目的とした事業です。

Society 5.0 とは・・・IoTビッグデータ、ロボット技術、人工知能等のイノベーションを、産業や社会生活に活用し、人々が活力に満ちた質の高い生活を実感できる社会のこと。

パーソナルデータの安全安心な利活用を目指して

大阪大学ライフデザイン・イノベーション研究拠点は、2018年度 文部科学省の「Society 5.0実現化研究拠点支援事業」に全国で唯一採択され、パーソナル・ライフ・レコード (Personal Life Records: PLR) の活用を通じて、身体の健康、心の健康、社会的健康(コミュニケーション)、環境の健康を基軸にQOLの向上をデザインし、ワクワクする未来社会の構築を目指して事業に取り組んできました。(2018年度から2022年度までの活動は、第1ステージのウェブサイトをご覧ください。)

2023年度からは第2ステージの取り組みがスタートし、パーソナルデータを安全安心に利活用するための基盤技術や運用の仕組み構築、ルールづくりなどをより一層推進し、成果の社会実装を目指します。

パーソナル・ライフ・レコード – Personal Life Records (PLR)
大阪大学ライフデザイン・イノベーション研究拠点が提案する、高付加価値パーソナルデータ。
人々の医療・健康情報であるパーソナルヘルスレコード (PHR) に、日常生活、職場/学校での活動、食事、スポーツ活動など、日常生活の様々な活動データを加えたもの。

ビジョン – 目指す未来社会

「ライフデザイン・イノベーション研究拠点」の推進によって、我々の暮らす未来はどう変わるのでしょうか。体の調子はセンサにより見守られ、健康の心配のいらない未来がやってくる。病院の役割が変わる。アバターが心の様子を見守ることで、母親は不安なく子育てができる。お年寄りはロボットと暮らすことで寂しい思いをすることはない。ロボットがいつも話し相手になってくれる。こんな未来社会を想像しつつ、私たちは鋭意研究を進めています。

コロナ禍は、当たり前と思われてきた職場や学校、地域のつながりに変化を与えました。第2ステージでは、コロナ禍を経て人と人との繋がりが希薄になった昨今、単なるスマート社会ではなく、「人と人のつながり」を新たな切り口としたSociety 5.0が創り出す未来社会の構築を目指します。

パーソナルデータの利活用で新たなソリューションを生み出す

本事業では、最先端の学術研究を通じてパーソナルデータを収集・活用し、成果の社会実装を目指します。さらに、学術研究を通して得られたパーソナルデータを安全安心に再利用する仕組みの運用を通じて、パーソナルデータが新しいサービスや製品等につながり、価値が社会や個人に還元される、データ流通のエコシステムの構築を目指します。

第1ステージでは、データ駆動型社会に革新を起こす試みとして、学術研究で得られる多様な高付加価値パーソナルデータを、民間における研究開発に利用可能なデータ流通の仕組み(PLR基盤)を確立し、データ取引所「MYPLR®」を構築しました。(詳細はMYPLR®のページをご覧ください。)

第2ステージでは、医療・保健データの取り扱いを可能にし、さらに、民間データや自治体データとの連携を目指し、ID連携やデータ連携のためのシステム機能拡張を行います。データの連携により、データの市場価値が高まります。

本拠点では、情報システム基盤から社会受容性の議論、データ取引運用、データ市場の確立まで、一貫して取り組みます。

MYPLR®
パーソナルデータを未来の社会を創るために再利用する仕組み。
大学等の学術研究で取得したデータを安全に管理し、データ提供者の同意を得た上で、審査を受けた企業等が、社会課題解決や生活を豊かにする製品・サービスの開発に活用します。

アプローチ – 実施するプロジェクト

本事業では、産・学・官・民による「健康×IoT」創造をモットーとし、QOLの維持・向上を目指した「ライフスタイル」、心と体の健康増進を目指した「ウェルネス」、楽しみと学びを実現する「エデュテインメント」研究を推進し、身体の健康、心の健康、社会的健康(コミュニケーション)を基軸に、「人と人のつながり」から輝く人生(高いQOL)をデザインできる未来社会の基礎となる技術を構築します。さらに、社会に受け入れられるデータ取引の科学と技術の発展に取り組みます。

第2ステージでは、以下の4つのプロジェクトを推進します。