ご挨拶

拠点長より

西尾 章治郎
拠点長
大阪大学総長

大阪大学では2018年9月から、文部科学省が実施する「Society 5.0 実現化研究拠点支援事業」に採択された「ライフデザイン・イノベーション研究拠点事業」を理化学研究所などとともに推進しています。

大阪大学は、全国に先駆けて創設した大量のデータを有効活用した新たな研究スタイルを確立するために、学内実証フィールドの整備などに取り組むデータビリティフロンティア機構(平成28年4月設置)にライフデザイン・イノベーション拠点本部を設置しました。これにより、Society 5.0(超スマート社会)の実現に不可欠な情報科学技術等の実証拠点の形成を、さまざまな機関や団体、民間企業と連携して強力に推進しています

さらに、企業が求めるデータの統合利活用ができる即戦力人材の育成、全研究分野を対象に世界の若手研究者から新たな研究を募り、ライフデザイン・イノベーションに資する研究開発に取り組んでいます。そして、本学の研究力向上に努めると共に、多様な社会課題を的確に捉え、解決に向けて組織全体のポテンシャルを統合して参ります。

いま、社会からは、複数の技術を組み合わせて社会実装を目指すことが大学には求められております。このような要請に的確に応え、より一層の豊かな社会生活実現に向けて全力を挙げて邁進致します。

副拠点長より

尾上 孝雄
副拠点長
大阪大学理事 副学長

本事業は、一般社会の様々な生活シーンに於ける多種多様なデータを利活用することに重きをおいています。この活動を進めるうえで特に大切なことは、様々なデータの中で特にパーソナルデータの利活用は必ず個人の同意のもとに行われ、そしてデータを提供下さった方々の安全が充分に守られている、という仕組みづくりと思っています。

この仕組みを利用してデータの利活用が普及すれば、今まで解決が難しかった個人個人によって異なるそれぞれの課題に、より近く寄り添った対応ができる社会が構築できると考えています。そのために多くの価値あるデータを集め、有効に活用できるソリューションの創出がとても重要です。

私達は、一般社会の皆様、企業の皆様のご理解・ご協力を得つつ、パーソナルデータの活用に対する社会の意識も変えながら超大量のデータを集め、それらを安全・有効に将来にわたって持続可能な形で、しかも責任をもって利活用できる仕組みを構築し、より快適な生活を送ることが出来る社会の創出を目指します。

大阪大学に於きましても、この拠点の活動を、鋭意推進して参る所存ですので皆様のご理解・ご協力を何卒、よろしくお願い申し上げます。

拠点本部から

八木 康史
拠点本部長
大阪大学教授

本事業に対し大阪大学では、理化学研究所、大阪府、大阪市等の自治体、その他各企業と協働し、情報科学技術を基盤として、Society 5.0 実現に不可欠な技術等の実証拠点形成を目標と致します。

具体的には、「ライフデザイン・イノベーション研究拠点」として、生活の質(クオリティ・オブ・ライフ (QOL) )の維持・向上を目指した「ライフスタイル」研究、心と体の健康増進を目指した「ウェルネス」研究、楽しみと学びを実現する「エデュテインメント」研究を並行して推進することで、人と日常の健康・生活の関わりから、身体の健康、心の健康、社会的健康(コミュニケーション)、環境の健康を基軸にして輝く人生(高いQOL)をデザインし、様々な技術革新と社会経済環境の変革を大学から発信することを目指します。

益々の皆様からのご指導ご鞭撻を、どうぞよろしくお願い申し上げます。

研究の最前線にて

東野 輝夫
拠点副本部長
大阪大学特任教授

私どもの「ライフデザイン・イノベーション研究拠点」事業では、人々の医療・健康情報であるパーソナル・ヘルス・レコード (Personal Health Record : PHR) に、日常生活、職場/学校での活動、食事、スポーツ活動など、日常生活の様々な活動データを加えたパーソナル・ライフ・レコード (Personal Life Records : PLR) を新しく提案し、収集した日常活動データから疾病予知や予防、早期発見を目指した研究を実施します。

また、IoTを活用した参加型医療や個別のニーズに沿った医療の普及、健康と病気の間の「未病」状態の早期発見や改善、セキュアなPLR収集基盤構築による高度なAI機能の構築やAI機能を用いたインタラクティブな介入による生活の質の向上のための研究プロジェクトなどを並行して実施し、「若者、子育て世代、中高齢者が豊かで安心して生活できる新しい社会」の構築を目指します。

社会実装に向けて

小寺 秀俊
拠点副本部長
大阪大学特任教授

政府が目指す超スマート社会 (Society 5.0) では、IoT (Internet of Things)、ロボット、人工知能 (AI)、ビッグデータ等の新技術を様々な産業や社会生活に取り入れ、その中で生まれるイノベーションから新たな価値を生み出すことで、誰もが快適で活力に満ち溢れた質の高い生活を送ることのできる社会の構築を目指しています。

本事業では、このような社会状況を踏まえ、若者、子育て世代、中高年が豊かで安心して生活できる社会の構築を念頭に、一般社会での社会実装の前段階において、大阪大学キャンパスや大学周辺地域をプレSociety 5.0の実証フィールドとして活用し、ライフデザイン・イノベーションに資するイノベーションの創出を推進します。

このような将来的な社会実装に備え、大阪大学の研究者らが中心となり、理化学研究所およびNECが中核機関として参加し、さまざまな機関や団体、民間企業等の皆様の協力を得て、PLR活用のための個人情報、プライバシ情報、セキュリティに配慮した情報システム基盤や人の多様なデータを獲得するための行動センシング基盤の構築に向けて、尽力して参る所存です。

皆様には今後ますますのご支援のほどを何卒よろしくお願い申し上げます。