保健・予防医療プロジェクト

保健・予防医療プロジェクト

研究代表者:松村 泰志(大阪大学医学系研究科 医療情報学・教授)

「保健・予防医療プロジェクト」では、「ライフコースに寄り添った予測と予防の個別化保健と医療の実現」を目標に、医療データ、ヘルスデータと日常データを合わせた個人のパーソナル・ライフ・レコード (Personal Life Records : PLR) を作成し、この基盤の上にデータ駆動型の保健・予防医療の展開を図ります。
個人からPLRを取得し、効果的な介入を行うためには、機器、或いはロボットがヘルスデータや日常データを測定収集し、健康問題についての気づき、アドバイスを自然な形で与えて、効果的な行動変容を誘導する技術が必要です。
そのためのヒューマンインターフェイスの開発とビッグデータ解析・AI技術をベースにした医療者側からの適切なタイミングでの介入を継続的に行えるような技術開発を行います。
また、構築したPLRをもとに、「生誕1000日見守り研究」、「虚弱高齢者見守り研究」、「心不全患者見守り研究」の3つのサブプロジェクトを実施します。

生誕1000日見守り研究

研究責任者:木村 正(大阪大学医学系研究科 産科学婦人科学・教授)

個別に応じた子育て支援を実現し、お母さんたちの育児困難の解消を目指した研究であり、スマートフォンやウェアラブルセンサー、また新たに開発する子育て見守りロボットなどを用いて妊産婦や子供の生活状況(食事、睡眠、ストレス、運動など)を経時的にモニタリングし、体調変化の予兆や子育てで困った時に、様々なアドバイスを適切なタイミングで提示できる仕組みを構築します。

虚弱高齢者見守り研究

研究責任者:池田 学(大阪大学医学系研究科 精神医学・教授)

平均寿命と健康寿命の差を短縮し、認知症を予防できるようなスマートエイジング社会を実現することを目指した研究であり、特に都市部の独居の身体的虚弱高齢者や軽度認知障害高齢者の身体的不活発や認知的不活発、睡眠障害に対する予防的介入や、屋内での熱疲労などの予防的な健康管理の仕組みを構築します。

心不全患者見守り研究

研究責任者:坂田 泰史(大阪大学医学系研究科 循環器内科学・教授)

在宅時の心不全などの心疾患の効果的な管理を目指した研究であり、在宅期間中の心疾患の悪化を防ぎ、再入院までの期間を長くするための見守りと症状変化のリアルタイム把握を行う仕組みを構築します。